痔の治療
痔には、痔核と痔ろうがあります。それぞれに原因、治療が違いますので、正しい診断を受けることが必要です。
痔核の本態は肛門周囲もしくは直腸下部の静脈瘤様の変化であり、その臨床症状は出血、疼痛、脱出が主要3主徴です。
基本的には良性の疾患ですが、患者様ご本人にしか分からない日常生活に多大な影響を及ぼすことも多く、また男女ともに恥ずかしい気持ちから、なかなか受診されにくい疾患です。
治療は基本的には座薬や内服薬による局所の炎症、浮腫を改善することから開始します。
これらによって、症状は改善が期待できますが、決して痔そのものが消失するわけではありません。
あくまで痔核の周囲の環境が改善されるだけなのです。
座薬や内服薬によっても、症状が、改善されない場合には外科的治療となります。
外科的治療は腰椎麻酔により、痔核そのものを切除する治療なので、根治が期待できます。
また、最近は注射により、内痔核の本態である静脈瘤そのものを固まらせる硬化療法として、『ジオン』というお薬を使用する治療法もあります。
痔ろうの本態は、直腸下部や肛門管と肛門皮膚に後天的に慢性、非特異性にろうこうを作る疾患です。
軽度の痔ろうのばあいにはろうこうをオープンにする切開法で治癒が望めますが、複雑な痔ろうとなれば、ろうこうを切除する手術が必要となります。
ご不明な点など、詳しくは担当医へお気軽にご相談ください。